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今回は8種制限の一つ、瑕疵担保責任の特約の制限について解説したいと思います。
民法上の瑕疵担保責任の規定との違いをしっかりとおさえるようにして下さい。
そもそも瑕疵担保責任って何?
売買契約の目的物に隠れた瑕疵(キズや欠点のこと)があった場合に売主が買主に対して負うことになる責任のことです。
売買契約の場面でいう瑕疵には法律的なものや、物理的なものだけでなく、精神的なものなども広く含まれるものとされています。
たとえば過去に室内で自殺のあった建物などは精神的な瑕疵がある不動産ということになります。
宅建業法上の瑕疵担保責任の規定
宅建業法上、瑕疵担保責任について以下のような規定が置かれています。
「宅地建物取引業者は、自ら売主となり、宅地建物取引業者でないものを買主とする宅地又は建物の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、民法に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。これに反する特約は、無効とする。」
この規定について気をつけなければならない点は次の2つです。
①瑕疵担保責任を完全に排除することはできない。
民法上は瑕疵担保責任を完全に排除することもできます。
つまり、宅地建物取引業者でない者同士、あるいは宅地建物取引業者同士の売買契約なら売主は瑕疵担保責任を一切、負わないものとすることもできるわけです。
これに対して本規定では売主である宅地建物取引業者は最低でも目的物の引渡しの日から2年以上は瑕疵担保責任を負わなければならないこととされています。
つまり、瑕疵担保責任を完全に排除することは認められていないということです。
②瑕疵担保責任の期間は2年以上であり、その起算点は「引渡しの日」
たとえば瑕疵担保責任を負うべき期間を「目的物の引渡しの日から1年」とか「契約の日から2年」とした場合、その特約は無効になるということです。
なお、特約が無効となった場合、宅建業法上の「目的物の引渡しの日から2年以上」という規定が適用されるのではなく、民法上の「買主が瑕疵を発見してから1年以内」という規定が適用されることになりますので注意して下さい。
ちなみに宅建業法上の「目的物の引渡しの日から2年以上」という規定と民法上の「買主が瑕疵を発見してから1年以内」という規定を比べると後者の方が売主の負担が大きくなることがあります。
民法上の規定によれば、たとえば買主が瑕疵を発見するタイミングが目的物の引渡しの日から2年経過した日であったとしても、買主はその時点から1年間、瑕疵担保責任を追及することができることになるからです。
つまり、この規定は実質的に売主である宅建業者の瑕疵担保責任を民法の原則規定より軽くすることを認めるものとなっているわけです。
まとめ
宅地建物取引業者は、自ら売主となり、宅地建物取引業者でないものを買主とする宅地又は建物の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、民法に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
これに反する特約は、無効とする。
この規定に関する注意点は以下の2つ。
①売主である宅地建物取引業者の瑕疵担保責任を完全に排除することはできない。
②特約で認められるのは瑕疵担保責任の期間を「目的物の引渡しの日から2年以上」とすることのみ。
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